◆技術向上の教育◆
技術者はどの分野についても同様ですが、殊に計算機分野においては、技術革新が急速で、また適正範囲が爆発的に拡大している状況のもとで、常に新しい情報に接しその技術を吸収し、着実に肉とし骨としていかなければなりません。  計算機世界に興味を持ち、未知の技術に謙虚に、柔軟に、かつ率直に対峙しなけれぱ゛ならないのです。技術の修得は決して華やかなものではなく、地味で労苦の多い作業の連続です。今日の情報過多の時代においては、技術を話題として蓄積することは比較的容易です。その話題性のために、ともすれば自己の技能を錯誤し、消化吸収の努力を忘れがちな時代ともいえます。学問は王道になく、ローマは一日にして成らないのです。技術者にとって身となった技術のみが財産であり、その深化のみが知的抑制から解放される手段となると考えます。  計算機利用技術の世界は、裾野が広く、初級レベルの技能に対しても、多くの仕事はあります。しかし、年々より高度の技術を開拓していかなければ、いずれ脱落を余儀なくされるでしょう。技術向上なきものは去る……これが従来よく言われる30歳、35歳定年説なのです。意欲ある限り技術者は存在を主張できるはずです。技術者には本来定年制はなじまず、情熱を失った時がその存在を失った時ということになります。

◆新人研修について◆
新人研修は未経験者及び初級技術者に基礎的な技術を修得させることを目的とし、第1次集合研修(6ヶ月)、OJT(6ヶ月)、そして第2次研修を行います。期間は1年とし、計算機に関する一般知識及び基本的なプログラム技術を教育します。新人研修は他の施策とは異なり、学校教育同等にその技術修得は必須とされます。研修のフェーズごとに終了課題があり、それをクリアすることが、次のステップに進む条件となるのです。 まだ十分な体制が出来ているわけではありませんが、長期計画のひとつの重点分野として技能向上の環境の充実は徐々に達成されていくでしょう。
※On the Job Training・・・・・実践教育のこと

◆教育の場について◆
組織図

社会人としての技術者が技術知識を得、技能向上をすることは、偏に技術者個人の問題であり、組織がそれを強制する性質のものではないと考えています。技術修得の場を作る……。それを利用するか否か、技能が向上するか否かは、各々の技術者の責任において選択されなければならないのです。  このような考えの上に、私達は教育研修の施策を行っています。その体系は、糸口をつかむ場体得する場、そして情報集積の場を用意するという3つの観点からなっています。

技術の糸口を与える場
技術者の要望をもとに教育担当が、企画する社内講習、社外講習そして社外通信教育があり、技術者が独自に企画し自主運営する技術研究会があります。各種の講習会は基礎技術、応用技術、専門技術そしてリーダーシップ、マネージメント教育が対象となっています。技術研究会は内容が、広い意味での技術問題を対象としていれば、申請により、講師の斡旋も含め運用ツールの手配の便宜や費用の援助などし、その運営の支援をします。
技術を体得する場
OJT(業務を通しての教育)の体系化を推進しています。技能の修得は一方で講習・学習により知識を得ることが必要ですが、また実践を通し種々の 状況に遭遇し、解決する中で何かを得、身につけていく体験もそれに劣らず大きな要素になります。OJTの基本として、業務(プロジェクト)の人員配置において常に各々の技術者の技能向上を配慮すること、そしてその目的に合致した商品の取得に勤めることが大事です。また、プロジェクトの運営にもその為の創意と工夫が反映されなければなりません。私達は人員配置をこの視点でとらえ意図的に場の設定を行うとともに、その経過をフォローし、各人の意欲を支援していきたいと思います。
情報の集積の場
図書・資料の充実と整理が重要な課題となります。



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